2013年4月14日 井戸沢断層・塩ノ平断層 訪問


このレポはあくまでも個人の感想です。


2011年3月11日の大地震で、いわき市を縦断する井戸沢断層は1万5000年の眠りから覚めた。
大震災のちょうど1ヵ月後の4月11日の午後5時16分、断層が動き、いわき市を直下型地震が襲った。
井戸沢断層と湯ノ岳断層、未知であった塩ノ平断層が同時に動き、北は北海道、西は鳥取で有感。福島県浜通り地震と名づけられた。
震源深さ6Km、マグニチュード7.0、最大震度6弱、死者4人負傷者10人を出した。

東北地方太平洋沖地震で、押し込まれて縮んでいた北米プレートの端が伸び、井戸沢断層東側が強く引っ張られ、地殻が裂けて正断層が生じたと考えられる。
東側が持ち上がり西側が沈降し、最大2mの断崖が生じた。(東大地震研究所サイトより)
ちなみに日本はプレートが押し合い圧し合いしているので、押されて裂ける逆断層がほとんどである。



断層概念図。



地図でいうと一番上の赤丸の部分。
農地は整地され断層がどこにあったか解らなくなっているが、小山はそのまま断層が残されている。
凄まじい滑り方をしている。




上から2番目の赤丸の地点。
風雨で傾斜が緩くなってきているが、それでも正断層のお手本のようなズレ地形を残している。



道路の反対側、谷側も一直線に裂けている。
沢も山もお構いなく裂けている。



沢に断層が生じたため、断層池を成している。
地質学の標本のようだ。



写真で見るとそうでもないが、かなりの急斜面を断層が貫いている。
恐ろしい。



振り返ると、断層の凄まじさがよくわかる。
写真右側がせり上がり、左側は沈降している。
もう、恐ろしい、としか感想がでない。



地図の一番下の赤丸、田人中学校の麓まで来た。
中学校付近はほとんど整地されてしまったが、ここだけは断層地形が残った。
コンクリ壁が大きくずれてせり上がっている。
側溝の蓋は、せり上がった側だけ新しくなっている。

田人中学校は体育館が断層上にあり解体・整地済み。同じく断層上にあった駐車場・通路は補修済みで断層の痕跡はゼロ。
その断層延長上にある県道も断裂し大きな被害を受けたが、現在は路面・法面ともに補修済みで痕跡はゼロ。
県道の横にある農地にも断層が走ったが、整地済み。痕跡は畦道に亀裂が少し残るのみ。
田人地区では、2012年の同時刻に土砂崩れ現場で合同慰霊祭、2013年同時刻には上の写真付近でイチョウの植樹と石碑の建立を行っている。


広野・楢葉・富岡そして断層群と長時間運転・案内してくれたdarkさん、ありがとうございました。


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