2010年12月12日 榛名火山 二ツ岳・オンマ谷 登山


以前榛名火山の中央火口丘榛名富士に登った時
次は古墳時代に大噴火した爆裂火口オンマ谷とその中央火口丘二ツ岳に行ってみたいと思っていた。



有史以来噴火していない榛名火山だが、近年調査が入り噴火の歴史が明らかになりつつある。
1.9万年前に相馬山付近で噴火し、相馬山溶岩ドームが上昇・崩壊し南東方向に向かって崩落。現在の相馬原(陸上自衛隊演習場)を作った。
1万年前には水沢山溶岩ドームが上昇・形成された。
西暦490年前後には給源不明だが噴火があり、510年頃初夏に相馬山北麓オンマ谷で大噴火し火砕流により周囲350Km2が焦土と化した。
相馬山はこの噴火で北側斜面も失い、山頂まで鋭い断崖となった。麓の集落も火砕流で壊滅し、火山灰と軽石で完全に埋もれた。
530年頃初夏に再びオンマ谷で大噴火し、噴煙は成層圏まで達し安達太良山山頂に軽石を降らせた。噴煙は西南方向に流れ、周囲の村々を完全に埋没させた。
二ツ岳溶岩ドームが上昇しオンマ谷火口をほとんど塞ぎ噴火は終息へ向かった。

そんな大災害をもたらした二ツ岳に登ってみた。



オンマ谷まで車で入れる。(これが間違いだった・・・)
二ツ岳登山口。
積雪情報は得ていたが、実際目の当たりにすると登山が躊躇われた。
しかし通常の登山靴の足跡がいくつもついていたので決行することに。



急登が続く。



中腹まで登ってきた。
振り返るとオンマ谷の大噴火で北斜面を失った相馬山断崖がよく見える。



途中、雌岳の分岐がある。
そのまま雄岳へ向かう。ひび割れた巨岩以外、火山の面影はない。
1500年の歳月を感じる。



子どもの足で50分で登頂。整備された登山道で迷うことは無かった。
山頂にはテレビ局のアンテナ中継基地があり狭い。
さすがに山頂は寒いなぁ。




二ツ岳雄岳山頂からは榛名カルデラがよく見える。
中央に榛名富士溶岩ドーム、その手前右に蛇ケ岳溶岩ドーム、外輪山が榛名富士をきれいに取り囲む。榛名湖は榛名富士の向こうに両端しか見えない。
きれいだなぁ・・・
ちなみに景色が左に傾いて見えるのは錯覚w



オンマ谷爆裂火口からの大噴火で北側斜面を吹き飛ばされた相馬山。



全く汚いパノラマ写真。
左右がSigma30mm中央がTokina12-44mm。色乗りが違いすぎる。
CanonS95は楽にパノラマ合成できるみたいでイイナ・・・

山頂でおにぎりを食べていたら、高齢の夫婦がやってきたので狭い山頂を譲る。
景色をみて「火山かねぇ?」なんて言っているので相馬山の噴火の話をちょっとだけする。
爆裂火口オンマ谷(パノラマ写真の左下)に向かって下山開始。



高さ20mはあろうかという巨岩。




子どもの足で60分でオンマ谷についた。
写真左がいままでいた二ツ岳、右が相馬山。
1500年前に大爆発した火口の面影はあまりない。



駐車場に向かって歩く。
意外と雪が深くラッセル状態。
左が相馬山断崖、右が二ツ岳。



振り返れば、確かに相馬山は半分吹っ飛んでいる。
火口原に立っているのだが、噴煙も地熱も無く実感は薄い。



25分で駐車場に到着。
くたびれた。
この日は風穴からの風は無かった。



車に乗り次の硯岩登山口に向かおうとしたが、なんと林道を登れない。
写真左上に見えている道まで九十九折れがあるのだが、そこでツルリツルリ。
スタッドレスなのでそのまま滑り落ちることはないのだが、何度トライしてもツルリツルリ。助走をつけてもツルリツルリ。
高湯温泉まで登れたのに、ここが登れないとは!何たるヘボ運転手w
スコップを積んでいなかったので、保険会社へTELしてレッカー要請。救助車が来るまでの1時間、雪合戦をして過ごす。
林道凍結路なんて軽自動車で入るもんじゃないね^-^;



伊香保温泉柏屋旅館に電話すると入浴OKだったので立ち寄る。
決してきれいとは言えない温泉だが、小さい浴槽のおかげかお湯が新鮮。少し加水しているようだが、文句なし。
タオルがオレンジ色になった。
風呂からあがると靴を乾かしてくれていた。さらに温泉饅頭と温かいお茶を出してくれた。いやー助かります!

女将さんと話をしていたら、おいしい料理屋を紹介してくれそのお店まで案内してくれた。
伊香保温泉はじゃらんに取り上げられるような今風の旅館ばかりだが、昔ながらの旅館も残っているようで好ましいですな。



伊香保名物石段。
風情が無いかな・・・と思うのは自分だけだろう。