2013年1月3日 伊豆東部火山群 カワゴ平火山 登山


2011年12月に大室山・矢筈山・伊雄山・大池小池と火山群を登った。
カワゴ平火山だけはアクセスが極端に悪く断念していたが、行ってみたい気持ちに負けた。

カワゴ平へ行くためには車で筏場林道を進み、鎖ゲート(常時封鎖)から延々2時間歩くことになる。
単調な林道歩きにうんざりげんなりすること請け合いである。
 ちなみにネット上の情報だと、「ゲートが開いている」「伊豆森林管理署に許可を求めれば通行可」などとあるが、
 私が森林管理署に電話したところ、かつて許可(黙認?)していたが一般車両の通行はもう許可しない、とのことだった。
 はっきりとは教えてくれなかったが、不法投棄があったり進入した自家用車の自損などでもめたようだ。

さらにそこから登山道を1時間歩くと、ようやく標高1000m超・東西約1kmの火口原に立つことができる。

車両の進入を禁止してるからだと思われるが、登山道は決して良い状況ではなく、
「この道であっているのか?」という恐れが常にあった。
登山道入口の看板も外れて落ちており、しばらくすれば無くなってしまうだろう。
GPSと1/25000地図は必須である。(NTTDocomoは電波が入る場所が多く、ブラウザで地図の確認も出来たがあてにしない方が良い。)
また、車に戻るまでに陽が沈むのではないかという恐れも常にあり、のんびりと登れる山ではなかった。
行く際は入念に計画を立てないと危険だと思われる。




カワゴ平火山は縄文時代後期にあたる3200年前に大噴火した火山である。(古代エジプト、ラムセス3世の時代。当然日本には記録が無い)
噴出したマグマは7億6千万トンと桁外れで、伊豆東部火山群の中でも最大級の火山である。
天城山脈稜線下に火口が開き、伊豆では珍しい粘度の高い溶岩(流紋岩)を噴出した。
爆発的な噴火を起こし、火山灰は風に乗って遠く琵琶湖まで飛んだ。(林道を歩いていてよく見かける黒曜石は、火口を塞いでいた溶岩ドームが再噴火で飛び散ったものであろう。)
この時の噴火では、伊豆火山史上初めて大規模火砕流が起き、一帯の森林を焼き尽くし、今尚土石流災害を引き起こしている。
伊豆の地下構造はどうなっているのか、次の噴火はいつどこであるのか、
雲仙普賢岳のように火砕流を起こすのか、誰にもわからない。(ちなみにカワゴ平火山も単成火山であり、カワゴ平火口から再噴火することは無い。)



このチェーンゲートから筏場林道をひたすら歩く。



最初の分岐。
左は景色が開けないルート、右は溶岩流の上を歩くルート。
右は途中の分岐さえ間違えなければ、左ルートと同じ場所にでる。
今回は大事を取って左ルートへ。



ゴルフ場が左上に現れ、カートが動いているのが見えた。
なんと道には首輪をつけた子犬が二匹いた。
人に馴れており、ゴルフ場の犬が下りてきたのか、捨て犬なのか不明。
帰りにはいなくなっていた。



途中、一箇所だけ富士山が見えた。
野生のリスが林道を横切った。



途中、単純ミスで道を間違え(普通の人は間違えないはず)20分のロスもあり、2時間30分かけて戸塚歩道入口へ到着。
この時、すでに帰りの時間が不安になっていた。
看板は落ちており、リボンでくくり付けてあるだけ。
車を入れないので、あまり整備する気がないのかもしれない。


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