2016年11月7日 富士山寄生火山群登山 その2:大室山
次は貞観噴火とは無関係の大室山の火口へと向かう。
大室山は紀元前1270年頃に、片蓋山-大室山の直線上の四火口で一斉に噴火したうちの一つのようだ。
大室山は他の富士寄生火山と違って山体が大きく、平安時代の貞観噴火で麓が全て溶岩で埋めつくされてしまったので独立峰のように見える。
石塚を下り、大室山の麓にたどり着いた。
溶岩流で麓が埋め尽くされた為、突然山が始まっているように見える。
溶岩流の上は針葉樹、大室山斜面は広葉樹ときれいに分かれている。
ここからは道が無いので適当に登るしかない。
かなり登ってきた。
大室山は等高線が超密で、息が上がるし汗だくになるし全然進まないしとにかく辛い。
下草が無いだけマシか。
朝日が美しい。
休み休み登って火口縁ピークに到着。
麓から約1時間。
お茶を飲み小休止。笹薮のせいで展望は全く無い。
火口縁に沿って南に獣道が続いている。
コンパスをみるとどうやら三角点方面に続いているので行ってみる。
10分くらいで三角点に出た。
三角点の周囲は背丈以上の笹薮で全く展望は無い。
点の記を見ると、明治17年に二等三角点として設置され、昭和60年に改修・再測量を行っているようだ。
先ほどのピークよりも三角点の方がやや低い。
三角点から富士山方面を望む。
笹薮に突っ込んで少し下れば完全な眺望が得られたらしい。下山してから知った。
三角点から火口に下りる。
大室山火口も等高線が密で、転げ落ちるように下る。
まだ火口底に着かない。
ようやく底が見えてきた。
三角点から15分で大室山火口底に到着。
とにかく深い。
ここから噴き上がったスコリアが積もってこの山ができたのか・・・
今は鹿の糞だらけで実感は薄い。
10分休憩し火口の開口部から下る。
縦横無尽に獣道があり、笹薮も酷い。何が何だかわからずとりあえず北へ北へと下る。
はずだったのだが、いつのまにか西へ西へと進んでしまい大室山を下りきったところで異変に気付く。
見たことのない鹿避けネットや通電している獣避けがあり、どう見ても来た道とは違う。
左右を見ても全て同じ景色。
これは迷ったな・・・参った。
現在地がどこだかわからないが北か西へ進めば必ず県道に出るはずと思い直し、賭けでコンパスを確認しながら一直線に西へ歩いた。
程なく県道へ飛び出しほっとしたが、どこだか解からない。
少し北に向かって歩くと展望台に出た。
これでようやく現在位置がわかった。
全く想定と違う場所に居た。
正面が本栖湖、そのさらに向こうに南アルプスが見える。
貞観噴火の溶岩流が本栖湖にも流入したのが良くわかる。
火口から適当に下った自分を呪いつつ、30分以上県道を歩き精進口登山道まで戻る。
長尾山へ